NAISTイベントレポート
成果発表会@メルパルク京都
Posted by:naist
|Update:2010.03.26
成果発表会のトップバッターは河野研のD1山本 洋平さんです。
講演のタイトルは“構造異常タンパク質を分解するしくみ〜DNAJB12の機能解析”。つまり、DNAJB12という小胞体の膜上に存在するタンパクが、異常なタンパクを見つけて分解するのに役立っているという話です。
ワトソン―クリックがDNAの構造を明らかにして以来、情報の貯蔵庫であるDNAから情報が読み出され、mRNAを介して、タンパクがどのように作られるかということが研究されてきました。そして、、、だいたいのところはわかってきました。でも、それは、もしうまくいったら、ということです。うまくいかない場合なんか考えていなかったし、だいたい出来上がったタンパクが分解するところなんて、考えてもいませんでした。
みなさんも身に覚えはありませんか?小さい子どもが、プロ野球選手や宇宙飛行士になりたいと夢を持って、うまくいかないなんてぜんぜん考えていないのとよく似ています。
実はタンパク質も、機能的なかたちになるまでに、結構な割合でうまくいかない分子がでてきます。途中でうまくいかなくなったタンパク質を正しい構造にもどしたり、それでもうまくいかない場合には、しかたないから分解するしくみがあるのです。このような“品質管理”のしくみは脚光を浴びていて、ここ20年ぐらいで飛躍的に進歩した分野です。
山本さんの所属する河野研は、この“品質管理”のしくみを研究しています。
タンパク質の“不良品”を分解するには、これまでプロテアソーム系が働いていると考えられてきました。不良品に“ユビキチン”というタグをつけて、ユビキチンのついたタンパクを目印に、プロテアソームが分解するのです。
山本さんは今回、DNAJB12という小胞体の膜上に存在するタンパクが品質管理に関わるしくみを研究し、不良品の特異的分解に、もうひとつの分解系である“オートファジー”が関わることを明らかにしました。全く予想外の、ビックリな結果でしたが、山本さんは常識にとらわれない柔軟な思考と、粘り強く実験を積み重ねて今回の結果を得ました。
常識を覆す“変な結果”がでたとき、柔軟に考え、冷静にしかも粘り強く研究を進めていくことがカギだとよくわかりました。そのためにはラボ内で指導教員だけでなく、先輩や同僚、またはラボの外でも納得いくまで議論することが大事なようです。
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