研究人材の遺伝子/奈良先端科学技術大学院大学⁄インキュビー大学院紹介

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飽くなき好奇心で研究者への道を進む

Category:incu-be*07号掲載記事|Update:2009.10.01


「純粋にやっていて楽しい。それが今の研究の魅力ですね」と話すのは、博士後期課程3年・永井裕介さんだ。魅力的な研究テーマ・環境を求めて、いくつもの大学院を検討した結果、奈良先端科学技術大学院大学にたどり着いた。現在は、伊東教授のもとで細胞内のシグナル伝達の仲介分子『Gタンパク質』の調節メカニズムを研究している。



思い描いた研究ができる環境へ

「ホルモンが細胞に作用することで、Gタンパク質が活性化しcAMPができる」。細胞内のシグナル伝達経路を描いた図が、研究を志すきっかけの1つになった。卒業研究でホルモン代謝の研究に携わることができたが、より詳細な分子のメカニズムに迫りたいと考え、様々な大学院の中から伊東教授のいる奈良先端科学技術大学院大学への進学を決めた。研究室へ配属されて印象的だったのは、多岐に渡るプロジェクト、そして自分のやりたいテーマができることだった。「他の大学と比べて自由にいろんなことに挑戦できる場所です。ずっと思い描いていた研究を、ここではやることができている。最初に感じた印象は正しかったと思っています」。

世界に新たな視点を提示する

例えば、アドレナリンが分泌されると身体が興奮状態になる。そのような時、Gタンパク質が活性化することで細胞外からのシグナルを細胞の中へ伝えている。しかし、どのようにして活性化されるのか、そのメカニズムはわかっていない。永井さんは、Gタンパク質の活性化を調節する新しい分子に注目して研究を進めている。

ライフサイエンス分野の研究においては、細胞を用いた基礎研究のみならず個体を使うことで、生体内で起こっている現象を再現・理解することが求められる場合がある。実際に、『nature』等のメジャーな雑誌に掲載される研究結果を見ると、植物や動物など個体を扱った実証までなされていることが多い。「確かに僕は細胞しか扱っていない。でも、非常に重要な研究をやっていると感じていますし、僕がやっていることが踏み台になって、新たな事実が見つかっていけばいいですね」。Gタンパクというホットな研究分野で世界を相手に奮闘する永井さんの姿があった。

異なる分野でステップアップを

博士号取得後は、大学や研究機関などでポスドクとして研究を続けることを考えている。しかし、今の研究とは異なる分野で自分をステップアップさせたいという。「やっぱり、知識の幅と研究に対するアプローチの仕方が全然違ってくるので、自分の中の引き出しを増やすためにもいろんな世界を見てみたい。ある程度高いレベルを目指すなら、絶対に一度は全く違う分野へ行くべきです」。飽くなき好奇心を持ち、より高みを目指す研究者としての姿がそこにはあった。


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